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越前瓦器、発表から1年。

越前瓦器、発表から1年。

開発に込めた思い

2024年に発表した「越前瓦器」は、越前の伝統的な瓦づくりの技術を活かしながら、暮らしの中に取り入れやすい新しい形を模索したプロダクトです。発表から1年、多くの反響をいただき、私たちの想いが少しずつ地域や全国のお客様に届いていることを実感しています。

今回はその開発秘話を少しご紹介します。

~産業の危機と挑戦。伝統から生まれた新しいかたち~

かつて日本の住宅を象徴していた瓦屋根。
しかし現在、住宅の洋風化・新築件数の減少・地震などによる風評被害などが重なり、瓦業界はかつてない厳しい局面に立たされています。全国的に瓦の需要は右肩下がりとなり、多くの産地や工場が苦境に立たされているのが現状です。

私たちの拠点である福井・越前も例外ではありません。
屋根材としての「瓦」だけでは、地域の産業としての持続可能性が見通せなくなってきていました。

そんななかで立ち上げたのが、新しい取り組み「越前瓦器(えちぜんがき)」です。
伝統の瓦づくりを活かしつつ、まったく新しい形で暮らしに寄り添う存在を目指して生まれたこの器は、弊社の挑戦の証でもあります。

開発のきっかけは「人とのつながり」

瓦の可能性を信じ、新たな商品開発を続けていたある日。
TSUGIの新山君から連絡をいただきました。「商品開発、やりませんか?」と。
RENEWなどで何かと世話になっていた新山君からの提案。弊社は、先代から何事にも挑戦する社風は整っていましたので、すぐに話は進んでいきました。

最初の打合せ。
新山君が連れてきてくれたのは、高橋さん。
柔らかな印象と、焼き物への確かな知識と愛情。弊社の工場を熱心に見学される姿を見て、信頼を持ってプロジェクトを開始することができました。


プロジェクト全体のマネジメントとビジュアルをTSUGIの新山君と田中ちゃんに。
プロダクトのデザイン、技術的な監修は高橋さんに。
弊社の既存設備をうまく活用し、試作品の開発へとプロジェクトは進行していきました。


瓦は器になれるのか?試行錯誤の日々。

瓦は高温で焼き締められた堅牢な素材ですが、そのままでは器としての“軽やかさ”や“精密さ”に欠けてしまいます。
高橋さんが生み出してくれたデザインは、見事に瓦の素材感は活かしつつ、新しい器として成立させてくれました。
多くの試作を繰り返し、ようやく「これなら器として人の暮らしに寄り添える」と思える製品が完成したのは、構想から約1年半後のことでした。
商品名、ロゴ、ビジュアルなど、「越前瓦器」は弊社らしいテーブルウェアとして表現することができました。

瓦の器はどうやって売るの?

弊社の既存事業は、建材の製造、販売。工事業者や建材商社が販売先です。
テーブルウェアを買ってくれる既存客はおらず、販売に関してもゼロからのスタートでした。

まずはバイヤーの目に留まるようにと、2024年6月、東京の展示会へ。
初めての展示会は、「ててて商談会」。おかげさまで、良い出会いの場となり、取引先を見つけることができました。

「ててて商談会」の準備と並行して進めたのは、コンペへの出品。
中川政七商店が主催する「地産地匠アワード」は、地域に根ざすメーカーと、地域を舞台に活動するデザイナーがタッグを組み、生み出したプロダクトを募集するコンペティションです。「越前瓦器」の発表と「地産地匠アワード」の募集の時期がうまく重なってくれたおかげで、より高い目標を持って準備に取り組むことができました。

2024年6月は、「地産地匠アワード」の二次審査となり、再び東京へ。
実物とプレゼンでの審査をしていただき、高い評価をいただく事ができました。
結果は、優秀賞。関係者の皆様のおかげです。

初めて開発したテーブルウェアが表彰される幸運に恵まれ、発表より1年。
現在は、全国のセレクトショップなどで取扱いをいただき、販売しております。

越前瓦器のこれから

福井の風景を守る為、弊社は「越前瓦」の製造を中心に、ものづくりを進めてまいります。
そんな中で「越前瓦器」は、瓦文化に再び光を当てる存在として育てていきたいと考えております。

より多くの皆様に手に取ってもらえるよう、全国に取扱いをしていただく取引先を増やしていきたい。

「越前瓦器」のブランドで新商品の開発も進めたい。

これからも私たちは、伝統に誇りを持ちつつ、時代の変化に柔軟に対応しながら、新しい価値を生み出す挑戦を続けていきます。

「越前瓦器」の新たなシリーズや、海外向けの展開も進めてまいります。

引き続き、越前瓦器にご期待ください。


工場の一角に小さなファクトリーショップもオープンしました。

土のゆらぎを楽しむテーブルウェア「越前瓦器」を、手に取って選んでください。



こちらからご購入いただけます。「越前瓦器ブランドサイト」

ファクトリーショップ「KAWARAS」

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