越前瓦ができるまで【入門編】
弊社 越前セラミカは、越前瓦の製造・販売と屋根工事をしている会社です。
上の写真は弊社の越前瓦工場です。
福井県越前市池ノ上町、山と田んぼに囲まれた場所にあります。
越前瓦 はこの周辺、福井県を中心とした北陸地域でよく使われている瓦です。
他の瓦と比べると、表面がざらついていたり、緑みが強かったりします。
その色は「銀鼠色(ぎんねずいろ)」と呼ばれ、北陸らしい景観として親しまれています。
今回はその越前瓦がどのようにつくられるのかを紹介します。
簡単にまとめると、
①粘土をつくって
②形をつくって
③焼く
瓦というのはそもそも焼きものですので、陶器を作るのとほとんど同じ です。
工場には、焼きものの中でも瓦、特に越前瓦を大量に生産するための設備が揃っています。
原材料となる粘土をつくるところから、商品として出荷するまで、越前瓦づくりのほぼすべてがこの工場で可能です。
今回は越前瓦づくりの入門編として、その手順をざっくりと追っていきます。
越前瓦の製造工程
1.粘土採掘
県内の越前瓦に適する粘土を採掘します。
採れた場所によって粘土の状態が異なるため、風雨にさらし半年以上寝かせ、このあと混ぜ合わせるのに適した状態にします。
2.配合
寝かせた数種類の粘土を細かくして、均一になるように混ぜます。水分も調整します。
3.混錬
成形に使える状態になるように粘土をよく混ぜ、練り合わせます。
真空状態にすることで粘土の中の空気を抜き、板状に押し出して大まかなサイズに切り分けます。
4.成形
板状に押し出された粘土を瓦の形にプレスして切り抜きます。
5.乾燥
1枚ずつ受け皿に乗せて乾燥させます。
乾燥炉を用いたり、窯の上階で自然乾燥させたりします。
6.施釉
焼くと銀鼠色に仕上がる、酸化鉄を多く含んだ釉薬にドブづけします。
7.窯積み
施釉した白地を、焼成するための台に積みます。
8.焼成
台ごとトンネル窯に入れ、入り口から出口までの64mを通らせ、24時間かけて焼き上げます。
最高1200℃の還元焼成で焼くのが、越前瓦ならではの方法です。
9.窯出し
トンネル窯から出た後、瓦を自然に冷まします。
10.製品検査
選別は人の目視で不良品を取り除きます。
1枚1枚、傷や切れ、歪みがあるものを処分します。
11.出荷
検査を通過した瓦を4枚ずつ結束し、パレットに積みます。
このようにして越前瓦はつくられ、各住宅に届けられます。
お気軽に工場見学にお越しください!
実際に工場見学してみたい方はぜひご連絡ください。
粘土の配合から焼成まで一貫生産している様子を間近でご覧いただけます。
職人の仕事風景やトンネル窯の熱気をリアルに体感できて面白いですよ!
いつでも受け付けておりますので、お気軽にご相談ください!